2024年のパリ五輪で新たに採用され、注目を集めた競技の一つに『ブレイキン』があります。ダンスの一種でありながらも、スポーツの要素を多く含み、非常にエキサイティングなブレイキン。初めてその様子を見て魅了された、という方も少なくなかったのではないでしょうか。
最近では、スポーツ観戦の方法も多様化しており、スポーツ ベットなどを介してベットしながら楽しむというファンも増えてきていると言われています。ここでは、パリ五輪で話題を集めたブレイキンについて、ルールと採点基準といった基本情報から、五輪公式種目として初めてのメダルを勝ち取った日本代表選手などについて見ていきたいと思います。
ルールと採点基準
五輪での競技の様子を見て、「どのダンスもすごいのはわかるけど、いったいどうやって採点してるの?」と思った方は多いはず。ブレイキンは、1対1の対戦形式でおこなわれ、選手はDJの音楽に合わせて交互に約一分間の演技を披露します。1回の対戦で一人2~3ラウンド演技し、審査員のジャッジで勝敗が決まります。
現在、世界ダンススポーツ連盟主催の国際大会などでは「WDSFレベル A」と呼ばれるジャッジシステムが導入されており、このシステムでは審査員たちがバトルを見ながら「テクニック(技術性)」、「ボキャブラリー(多様性)」、「エクスキューション(完成度)」、「オリジナリティ(独創性)」、「ミュージカリティ(音楽性)」の5つのポイントで評価していきます。
具体的には、テクニックとして体をどれくらい使えているか、技がどれだけ盛り込まれているか、流れはスムーズに遂行されているかや、構成内容、ミスの有無などがチェックされます。また、ブレイキンの大きな特徴として挙げられる「オリジナリティ(独創性)」では自分らしさを表現できているかが重要なポイントとなってきます。
初の金メダル獲得
今回の五輪で、日本代表が獲得したメダル数は、金20個、銀12個、銅13と合計45個と、史上最多を記録しました。その中のひとつに、ブレイキン女子で「AMI」こと、湯浅亜実選手が獲得した金メダルも含まれています。
今大会の決勝で、リトアニア出身で、去年の世界選手権を制したNICKAこと、ドミニカ・バネビチ選手と対戦した湯浅選手。多彩な技とダンスの完成度の高さで勝利を勝ち取りました。ブレイキンでは1つのラウンドで同じムーブを繰り返すとマイナス評価の対象となります。別のラウンドでは前のラウンドでやった同じ技を出すことはできますが、ジャッジの印象が悪くなるおそれもあります。それに対し、湯浅選手は、1日で15ラウンド踊るという体力的に厳しくなっていく中でも、最後まで高い完成度で多彩なバリエーションの技を繰り出し続けました。
ブレイキンの未来
ブレイキンが五輪の公式競技として採用されたことは、このスポーツの未来にとって大きな一歩となりました。日本での人気スポーツとしては、現在、野球やサッカーなどが挙げられますが、ブレイキンが五輪で登場したことにより、世界的にもその認知度が高まり、若い世代の間でもさらに人気が増すことが期待されています。また、五輪という大舞台で披露されたことで、より多くの人々がブレイキンに魅せられたのではないでしょうか。こうした動きは、ブレイキンコミュニティ全体にとっても非常にポジティブな影響をもたらすと考えられています。